ルーシ・ア・ライブ

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すぎやまこういちの世界を語り尽くそう

去る9月30日、ドラゴンクエストのBGMを始め数え切れないほどの名曲を生み出された作曲者、すぎやまこういち先生がご逝去なされました。

小学生の頃にドラゴンクエストに出遭い、それからの人生は常にドラクエと共にあった自分にとって、肉親を亡くしたのと同じぐらいの悲しさに包まれていました。

Twitterでも大なり小なりそういった呟きが溢れている中で、1つのタグが目に止まりました。

https://twitter.com/licokuondo/status/1446013330464731138?t=GqcGSV2OzMxbWq-uYFmE9Q&s=09

「いつまでも悲しんでいられない、まさにその通りだな」と思い、自分も3曲選ぼうとしたわけですが…


好きな曲を考え出してわずか5分ほどでその10倍の30曲を超えてしまいました。

あ、絞るの不可能や、となり、じゃあいっそ全部紹介して発信したる!!

という思いでできたのがこの記事です。
すぎやまこういちワールドに魅せられた一人の人間が、文章力も語彙力もへったくれもなく、ただただ好きな曲についてひたすら語るだけの記事

#あなたの思い出のドラクエ厳選曲TOP30

とくとご覧あれ。


※TOP30とは言いましたが、どれも大好きなので厳密にランク付けなどはせず順不同で書き綴っています。


おおぞらをとぶ(DQ3)
空を飛ぶ曲でこれの右に出る曲はないでしょう。
最初から最後まで美しさに溢れた旋律でありながら、オーケストラで聴く主旋律の部分はお手本のような壮大さで、世界中を飛び回れる感動を際立たせてくれる、名曲中の名曲。
DQ11で、薄々流れるんじゃないかなと予想はついていたにも関わらず、流れたら感動する「分かってても泣かせにくる」曲。

大海原へ(DQ5)
ゲームのオープニングで聴くときは、いよいよこれから新しいゲームが始まるんだという未知への期待、中盤に船を手に入れた後にきくときは、心強い仲間が増えてこの先続く旅への希望が垣間見える、様々な感情を与えてくれる曲です。
イントロ部分の、静かな波打ち際を思わせる穏やかな曲調が安心感を与えてくれるので安眠用にピッタリ。

さすらいのテーマ(DQ6)
初めて聴いたのがテリワンのボス前のフロアで、当時はDQ6を知らなかったので、てっきりボスのいるダンジョンで流れる曲だと思ってました。
夢の世界で流れるふわっとした曲調のバージョンと、現実世界で流れるしっかり大地を踏みしめるような勇ましい原曲、一見(聞?)全く同じ曲のはずなのに全く違う曲になってるという深みのある曲。

遥かなる旅路(DQ2)
ファンの中では人気の高い曲。
やはりというべきか、オーケストラの後半部分の壮大さに心を奪われます。
DQ1のフィールド曲「広野を行く」の寂寥感を継承しながらも、前作より格段に広くなった世界を冒険していく感じがたまらないですね。

そして伝説へ(DQ3)
言わずと知れた名エンディング曲。
今までの旅路を思い起こさせる静かで綺麗な曲調と、曲名通りDQ1,2へ続いていくのを連想させるような見事な曲の終わり方は、言葉にして評価するのすら烏滸がましく感じます…。
ちなみに遥か昔、この曲のボーカルバージョンがあったそうな。

小舟に揺られて(DQ7)
海の曲というのは広大さがイメージになりがちですが、この曲は曲名、曲調共にそんな印象をいい意味で覆してくれます。
ゲームの展開的にも、主人公の世界がまだ平和なタイミングでの比較的静かな海のフィールドBGMとして完成している見事な1曲。

エレジー〜不思議のほこら(DQ4)
理由があってのメドレーでの紹介。
エレジーは全滅時の曲で、またアッテムトという街のBGMとしてもファンの間では有名です。
不思議のほこらは文字通り祠や神殿などでの曲で、オーケストラではこれがメドレーで演奏されます。
悲壮感溢れるエレジーの後、死者の魂を静かに送り出すように厳かに不思議のほこらに移ります。
その流れだけで心が揺さぶられるのですが、ラストに流れるメインのメロディで、まるでファンファーレを連想させるかのような盛大な曲調で演奏が締められます。
メドレーとして完成されすぎており、締めの盛大さとは逆に涙を誘われずにはいられないのです。
すぎやま先生の代表曲は数あれど、先生を心から悼みながらも、先生の偉業を讃え最大限の敬意を払って天国へお送りする曲として、これ以上に相応しい曲はないのでは、と思いちょっと長めの文での紹介をさせていただきました。

エデンの朝(DQ7)
隠れた名曲ランキングを作るならまず上位に来る曲。
物語のプロローグ部分でのみ流れる曲ですが、3DSのリメイクにあたってなんと削除されてしまったため、まさに隠れた曲となりました(サントラでは収録)。
独特のリズムで流れる、のどかな夜明けを思わせる素晴らしい曲です。

不死身の敵に挑む(DQ5)
最初からクライマックスを思わせる音楽の入り、テンポの早い曲調が合わさり、ボスとの激戦がありありと想像される曲です。
DQ5のプレイ経験がある方なら、例のボスのおかげで最も印象に残っている曲かもしれないですね。

勇者の挑戦(DQ3)
ゲーム音楽を語るにあたって、最早殿堂入りとなっているであろう名曲ですね。
アレフガルドの静かなフィールドBGMが全く別の顔を見せてくれる見事なアレンジが、ラスボスの存在感を際立たせてくれます。
人気の高いボスには、人気の戦闘曲がつきものです。
ゲームの原曲、オーケストラで大きく曲の印象が違うので、是非聴き比べを。

海の記憶(DQ8)
他の海の曲とは一線を画している印象があるのは、多分他の曲にはない幻想的な印象を第一に持ってきているから。
DQ8の船の入手は、海から遠く離れた荒野に廃棄されている船を、紆余曲折の末その荒野がまだ海だった頃の「記憶」を呼び覚まして過去の海を作り出して船を浮かべて…というファンタジーらしさ満載の流れでの入手になるんですが、まぁその場面と綺麗にマッチしてるんです。
是非ゲームでこの部分をプレイしてみて欲しいです。

木漏れ日の中で(DQ6)
有志で行われた、「皆で決めたドラゴンクエストBGMランキング」にて1位を獲得。
要はDQファンの中で最も人気のある曲ということですね。
明るい街の雰囲気でありながら、うるさ過ぎず静か過ぎず、テンポが早すぎず遅すぎず、軽快で絶妙に作られた音楽が聞く者の心を落ち着かせてくれます。

死の塔(DQ5)
DQのダンジョンには主に洞窟のBGM、塔のBGMの2種類が用意されていますが、塔のBGMは、モンスターがひしめくダンジョンの恐怖感に加え、塔を登るためのギミックを解いていく難解さも表現されています。
そんな中でこの死の塔という曲がとりわけ印象が強いのは、デモンズタワーやボブルの塔など、皆さんご存知例の仇敵に連なるダンジョンが多いからかなと。

聖(DQ5)
DQ5での祠、教会などの曲ですが、最も印象深いのは、やはり青年時代が始まって最初に辿り着く教会ではないかなと思います。
10年間囚われていた敵のアジトから脱出し、満身創痍の状態で教会に漂着した時の主人公の安堵、この先一体どうなるのかという一抹の不安を、ここまで美しく表現できる曲は他に存在しないでしょう。

楽しい出逢い(DQM)
テリーのワンダーランド初出の、星降のほこらでの曲。
底抜けに明るい曲調はまさに「楽しい出遭い」。
当然モンスターを配合し新たなモンスターと「出逢う」曲ですが、テリーがタイジュの国に着いたときに最初に流れる曲でもあり、モンスターだけでなく、タイジュの国そのもの、まだ見ぬ世界との「出遭い」の曲でもあるんだな、と最近になって気付かされました。

星降りの夜(DQM)
原作で星降の大会後のEDで1度のみ聴ける曲なのですが、DQMDQに触れるきっかけになったゲームなのでどうしても印象に残りますね。
名曲なのは当たり前として、EDのムービーが、登場するモンスターの立ち絵がクレジットと一緒に流れてくる内容なんですが、所々に各系統の最強モンスターの立ち絵を混ぜてくるんですよね。
クリアしたばかりでそんな最強モンスターは大抵は仲間にしていないので、「うわ、なんやこのモンスターは!仲間にしてぇ!!」と当時の子供心をくすぐる素晴らしい出来になっています。

難関を突破せよ(DQ8)
他のボス曲とは違って、まず「カッコいい!」という印象が最初に浮かぶボス曲。
何故かと言われると難しいのですが、DQ8からモンスターのモーションが本格的になって戦闘シーンも躍動感あるものになり、それに合わせてスピード感溢れるメロディになっているのが俺の琴線に触れたのかなと思います。

ラダトーム城(DQ1)
タイトル画面から冒険の書を作り、実際にゲームをスタートした時、つまりドラゴンクエストの世界に降り立った全てのプレイヤーが最初に聴く曲。
お城らしく威厳に満ちた曲ながらも、魔王に支配されたどことなく暗い雰囲気も完璧に表現さており、勧善懲悪のRPGの幕開けに相応しい名曲。

やすらぎの地(DQ7)
DQ7のストーリーは全体的に暗いものが多く、その中でこの曲のようなゆったりとした安心感を与えてくれる曲というのは良い清涼剤になってくれます。
各シリーズの「村」で流れる音楽のポジションに近いですが、流れる場面は多くはないので、隠れた名曲と言えるでしょう。

ぬくもりの里に(DQ6)
隠れ里を思わせるような不可思議さ、奇妙さがあるメロディながら、聴いていて不快さなどは一切なく、何度ループしても聴いていられます。
コアなDQユーザーが集まって編集しているwikiである「DQ大辞典」のこの曲の項目でも、DQ6を象徴する曲、と評されているのも頷ける、傑作と呼んで差し支えないであろう名曲。

ここまで20曲。
順不同とは申しましたが、ここからの10曲が、何が何でもく無理やりランクをつけろ!と言われたら選ぶ究極の10曲かもしれないです。


序曲Ⅸ(DQ9)
日本で1番有名なゲーム音楽の1つであろうこの曲ですが、Ⅸの序曲を語ろうと思ったのは、一新されたイントロの部分に尽きます。
俺がDQに触れた当時、既に「ロトのテーマ」「天空のファンファーレ」という、最強のイントロが2つ存在していました。
DQの新作発売というのは他のゲーム新作とは度合いの違う一大イベントであり、その中で、初めて耳にするイントロから、聴き慣れた序曲が繋がってきたときの衝撃は、とても忘れられません。
新しい歴史が作られた瞬間に立ち会えたような、そんな鮮烈な思い出を残してくれたのが序曲Ⅸです。

神秘なる塔(DQ8)
塔のBGMは、恐怖と謎解きの両方を表現していると上の方で書きましたが、その印象を完璧に上塗りしてくれるのがこの神曲です。
洞窟や塔に使われるBGMの中で、ここまで静謐さ、神秘的な雰囲気に全振りした曲が今までにあったか?と思うぐらいダンジョン離れした曲で、ゲームのプレイ中でも攻略を忘れてその場で立ち尽くして聴き入ってしまいます。
今後これを超えるダンジョン用のBGMは出てこないんじゃないか、とDQ8から17年経つ今でも思っています。

ジプシーの旅(DQ4)
マーニャとミネアの曲といえば、戦闘曲である「ジプシー・ダンス」の方が有名ですが、フィールド曲のこちらも負けず劣らず神曲です。
リメイク版やオーケストラのメインのメロディでは、FC版の原曲では表現しきれなかったであろうメロディが追加されて二重奏になり、敵討ちの旅に出る姉妹の心情がより深く読み取れるような、悲しくも美しい音楽になっています。
隊列の先頭の仲間を変えると、その仲間のフィールド曲が流れるのはDQ4の長所の1つですね。

果てしなき旅(DQM)
恐らく人生で1番長く聴いているDQのBGM。
初めてDQに触れたこのシリーズでこのBGMと共に無限にモンスターを育成し続けていた、最も思い出深い曲。
決して明るくもなく、勇ましくもない曲ですが、いつの間にか当時小学生だった自分の耳に馴染みきっており、これが今日に至るまですぎやまワールドに魅せられ続けているきっかけだったのかもしれません。
ちなみにこの曲はリコーダーだけでほぼ全部を吹けるので、興味のある方は試してみてください。

地平の彼方へ(DQ5)
印象の強さと聴いている時間はある程度比例するもので、やはりフィールドのBGMはどれもこれも思い出深いものがあります。
DQ5は、亡き父の足跡、攫われた花嫁、母親など、何かを探し求めて旅をするイメージが強いです。
静かなイントロ部分と共に、夜が明けて旅が始まるさまを想起させ、曲の締めで静かにメロディが終わる部分で、日が沈み1日の旅が終わり、またイントロに戻って新しい旅の1日が始まる、そういった1日の流れが想像でき、まさに「地平の彼方」まで旅をする曲なのかなと思います。

天空の世界(DQM2)
原曲の1ループが1分にも満たないこの曲が、何故こんなにも心を惹き付けて離さないのでしょうか。
原作のGB版DQM2では、中盤の1つの世界でしか流れず、その世界をクリアすると2度と聴けなくなるレアな曲で、リメイク版やジョーカーシリーズで流れたときのファンの歓喜は想像にかたくありません。
ましてやナンバリングタイトルである10に逆輸入されたことを考えると、いかにこの曲がファンに愛されているかが分かります。
繰り返しになりますが、1ループ「1分未満」の間に人を魅了することのできる曲なんて、この世に一体いくつほどもあるんでしょうか…

冒険の旅(DQ3)
序曲は別格すぎるので置いておくとして、「DQで聴いたことのある曲といえば?」と聞かれると、「おおぞらをとぶ」あたりと並んで、最初に挙げられる候補の曲ではないでしょうか。
俺が初めて聴いたのは上述の例に漏れずGBのDQMなわけですが、経験値稼ぎ用にはぐれメタル狩りへ何度も訪れることになる旅の扉が、この曲が流れるDQ3モチーフの扉だったのは、作り手側も単調な作業に飽きないよう、何かそういう意図を持ったファンサービスなのか、と勘ぐってしまいます。
一時期乗用車のCMにも使われていましたし、DQを代表する曲の1つですね。

勇者の故郷(DQ4)
連続してフィールド曲の紹介になりますがご容赦ください。
DQ4をやったことがあるかないかで、この曲へのイメージは天と地ほども変わるはず。
もしDQ4を未プレイの方がいれば、何も言わずにこの曲を聞いた後、DQ4のプレイを進めてこの曲が流れ始める場面になったらゲームを止めて聞き入ってみてください。
この曲もやはりDQMで初めて聴いたクチですが、その時点でも「なんだこの神曲は!」と思っていたんですが、DQ4をやった瞬間に誇張抜きで評価が倍になりました。
曲そのものの美しさについてはもはや語る必要はないでしょう。

天空城(DQ5)
ここまで28曲の音楽をひたすら褒めちぎってきましたが、このDQ5天空城の曲が、今まで聴いてきた全ゲーム曲の中でも最も綺麗で、聴いていて心を落ち着かせてくれる曲だと思っています。
最初から最後まで一貫して透き通った綺麗なメロディで、水に沈んでいる城の寂れた感じや、神聖な雰囲気も完璧に表現されていて、本当に大好きな曲です。
ファンの中でも元々人気は高い曲だとは思いますが、もっと評価され、もっと有名になってもいい曲だと思います。


広い世界へ(DQ8)
ラストに1番好きな曲を語らせていただきます。
このフィールドBGMが使われるDQ8の発売時のキャッチコピーは「見渡す限りの世界がある」。
DQ7までの2Dのグラフィックが進化し、等身大のキャラを動かしてフィールドや街を冒険する現在の形になったわけですが、当時のフィールドを隅から隅まで駆け回る感動をこの曲が二重にも三重にもしてくれます。
キャッチコピー通り、PS2の画面一杯に見渡せる「広い世界」を冒険し尽くすことを表現し切っているこの曲について、語ろうと思うと何時間でも語れてしまいます。
DQの曲、はたまたゲーム音楽というくくりも外して、全ての音楽の中でも断トツで1番好きな曲です!




長々と読んでくださった物好きな皆さん、ありがとうございます。
まだまだ名曲は数え切れないほどあるので、語り出すと本当に止まらないですが、それはまた別の機会にということで。
1度だけDQ4のコンサートで本人にお会いしたときのことなんかも今でも覚えていて、思い出すとやはり喪失感に囚われてしまいますが、今回のタグを生み出された方も仰られていたように、いつまでも悲しんでいる姿を見せるのも…と思うので、この記事で自分なりにすぎやまこういち先生への感謝を表現して、お見送りさせていただきたいと思います。


最後に、すぎやまこういち先生、あまりにも多くの名曲、感動を与えてくださり、人生を大きく変えてくださった貴方は俺の恩人です。
俺はこれからも、きっと一生涯に渡ってドラゴンクエストの音楽を愛し続けていきます!!

本当にありがとうございました!そしてお疲れさまでした!